聖書について

★「旧約聖書」と「新約聖書」

聖書は「契約の書」です。旧約は「古い契約」で、新約は「新しい契約」という意味です。

 

・旧約聖書

聖書によれば、神さまが万物と人を創造されました。しかし、人は神さまに背きました。それでも神さまは、人を見捨てずに、今から約4000年前にアブラハムという人を選んで、彼と契約を結びました。それは、「あなたを大いなる国民にしよう!あなたによって、地のすべての部族は祝福される!」という契約で、アブラハム一族の繁栄というより、世界中の人がアブラハムの子孫を通して祝福されることを神さまは約束しました。

 

このアブラハムの子孫がイスラエル人です。アブラハム一族はカナン(パレスチナ)に移住しましたが、飢饉のためにエジプトへ下りました。しばらくして王朝が変わると、彼らは奴隷となってしまいました。そこから彼らを救い出した指導者がモーセです。モーセが海を二つに分けて、彼らは海を渡りました。これが有名な「出エジプト」です。

 

その後、彼らはパレスチナへ行き、そこに定住しました。そして、周りの国々と同じように王さまが立てられました。今から約3000年前に登場したのが、ダビデ王です。神さまは、ダビデと契約を結び、その王位は永遠に続くと約束しました。しかし、孫の代になると、王国は南北に分裂し、どちらも滅亡してしまいました(紀元前722年、北イスラエル王国がアッシリアに滅ぼされ、紀元前586年、南ユダ王国がバビロンに滅ぼされた)。

 

神さまがアブラハムと結ばれた契約はどうなったのでしょうか?ダビデと結ばれた契約は破棄されたのでしょうか?その頃、神さまはエレミヤという預言者を遣わして、新しい契約をイスラエルと結ぶ日がくると知らせてくださいました。しかも、そのときには、神さまが一方的に罪を赦しくださると予告されました。

 

・新約聖書

このように繰り返し語られてきた契約はすべて、今から約2000年前にお生まれになったイエス・キリストにおいて実現しました。ダビデの王国は滅びましたが、イエスさまは滅びることのない神の国を実現するお方です。神さまに背いた私たちの罪を赦し、全世界に祝福をもたらすお方です。こうして、イエスさまは、古くからの契約を新しい契約において成就されました。そのため、イエスさまの登場とともに、新約(新しい契約)聖書が誕生しました。

 

 

*参考図書

内田和彦著、「『聖書は初めて』という人のための本」、いのちのことば社、1999年

この本は、とても分かりやすく聖書について教えてくれています。聖書を読んだことがない人でも理解できるように書かれています。ページ数も少なくて、読みやすいです。